ある新製品の採用率調査ですが、ニーズの違いでお客様を5つのグループに分けることができました(右図)。
グループ分けの方法は、購入製品の選定ポイントについて10問ほどのアンケートを実施し、クラスター分析という多変量解析の手法を使ってお客様をグループ分けしました。
クラスター分析とは、個々の回答者の回答傾向の違いをパソコンを使って逐一判定し、回答傾向の似た回答者どうしをグループ化するものです。
この例では、5つに分かれたグループごとに新製品の採用率を比較したところ、採用率に明らかな差が認められました(右図:上にいるグループほど採用率が高い)。また別の例では、競合先との顧客層の違いをはっきりと確認できたものもあります。
回答者をニーズの違いでグループ化し、グループごとにどのような行動の違いがあるかを知ることは、営業戦略においても商品開発においても非常に重要です。
<参考>目の前のお客様を見極める「判断軸」をもつ
クラスター分析には十分な量のデータや解析用のパソコンやソフトが必要ですが、あらかじめ判断軸(因子)を特定できれば2~3項目の質問もしくは観察で、お客様を分類することもできます。
このような分析はこれまでも多く実施されており、実際にお客様の購入行動を分析して抽出された「知覚リスク(懸念)」という5つの因子もあります。
・規範逸脱懸念 ・・・購入しようとする製品に対し、周囲からよい評価をもらえるか
・品質性能懸念 ・・・購入後に製品を使ってみて、品質や性能に問題が生じないか
・使いこなし懸念 ・・・使いこなしが難しいのではないか、製品はよくても自分には合わないのではないか
・自己顕示懸念 ・・・ありきたりではないか、自分にふさわしいものではないのではないか
・流行性懸念 ・・・既に流行遅れ、時代遅れになっていないか
商品やサービスによってお客様のニーズは様々ですが、「知覚リスク」を理解しておけば、自社のターゲットとなるお客様のニーズを想定しやすくなります。