お客様の心に響く価値の作り方

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に響く体験を提供し、“直感”に直接訴える

 

マイニング&ビルドは、商品の効用が最も大きくなる場面を具体的に伝えて、お客様が「価値にピンとくる」ようにすることで、商談化率と成約率アップに貢献します。

これに対して、商品でなくお客様の体験にフォーカスしてに響く体験を提供し、直接、直感に訴えて価値を感じていただく価値強化の方法もあります。

 

お客様が商品を選ばれる理由は様々ですが、色々な項目を検討し総合評価で選ぶことはほとんどなく、大半のお客様は最終的には“直感で商品を選ばれています商品が売れるには「商品の効用的な価値がピンとくる」ことが重要ですが、成熟化が進むほど効用の差は小さくなり、どんなにわかりやすく効用を伝えても、お客様の直感にピンくることは難しくなっています。

一方、お客様の直感に直接訴える価値は、お客様の心にどれだけ深く響くか」です。効用面の余地は狭まっていますが、お客様の心に深く響くことにはまだまだ大きな可能性があります。さらに継続購入や口コミなど営業活動の広がりも十分に期待できます。

 

.「お客様が本当に望んでいること」にコミットメント(約束)する

お客様の直感にコトバで訴えることは不可能で、お客様の心に響く体験を提供することだけが唯一の方法です。どんな体験が心に響き価値を感じるかはお客様によって様々ですが、それを知るにはお客様の心・価値観を深く理解する必要があります。

まず、何のために商品を購入されるのかを探求して、お客様が本当に望んでいることを明らかにすることから始めます。これもお客様によって様々ですが、お客様が望む本当の欲求がわかれば、その中から自社が最も満足を提供できる価値を定めて、お客様にコミットメント(約束)することができます。

 

ラダリング:お客様のニーズ、商品の価値を階層構造化する手法

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「お客様が本当に望んでいること」を明らかにするには、ラダリングという手法を用います。ラダリングは「機能的なニーズ”のにお客様の心に響く“情緒的なニーズ”があり、それらはお客様が商品に期待される価値によって統合される」という考えで、お客様のニーズを階層構造化する手法です(詳細はマーケティングナレッジ「ラダリング」参照)。

お客様よって価値観は様々で、どんなお客様のどういう価値観にコミットメントするかは経営者の深い考察と直感で定めねばなりませんが、ラダリングを使うことで、自社の価値をお客様の価値観に従って構造的整理できるので、自社の強みを最も生かせる価値観にコミットメントすることがでます

 

実際の例では、スパナなどの手工具ではスナップオン、バイクならハーレーダビットソン、スマホではアップルが実現しています。

手工具の場合、機能的なニーズは「使いやすさ」や「耐久性」ですが、この上の段には「仕事の出来映えに満足したい」「道具にこだわるのが嬉しい」などの情緒的ニーズがきます。さらにその上には「仕事ができる人間として尊敬されたい」などの価値観が全体を統合しています(上図)。

「仕事ができる人間として尊敬されたい」にコミットメントするのは、一見、難しそうに見えますが、お客様の心に響く体験を提供して価値を感じていただけたら、非常に強力なアドバンテージを得ることができます。

「そんなたいそうなことは、優秀なスタッフや経営リソースが豊富な大企業でないとできない」と思われがちですが、グローバル展開している大企業では非常に大きな取り組みが必要で容易ではありません。むしろ、特定の専門市場や地域で企業活動を行う中堅・中小企業の方が「直感で感じる価値」の提供は容易で、様々な企業が実施しています。

 

.コミットメント(約束)を果たすために必要なこと

どんな体験が心に響くかは、お客様のスタイルや価値観によって異なりますので、すべてのお客様に心に響く体験を提供することは不可能です。自社にとって最も重要なお客様はどんなお客様かどんな価値観を持ち、どういう体験に心を動かされるお客様なのかを検討して、「お客様像」として具体的に整理することがまず必要です。

customer_picお客様像が明らかになった上で、お客様の心に深く響く価値づくりに不可欠な条件が、

①競合が提供できていない、強いインパクトのある価値がある<キラーポイント

②細かなディテールまで配慮され、洗練されている<こだわり感

の2点です。

この2点を兼ね備えてこそ、企業姿勢<お客様へのコミットメント>が信頼され、競合先より圧倒的に満足されることが可能になります。

 

①強いインパクトのある価値「キラーポイント」を作り出す

「キラーポイント」とは、満足度が高く、コミットメントがお客様にわかりやすく伝わる価値です。お客様が御社を選んだ理由としてまずイメージされるもので、上申説明や口コミに使われやすく最も不可欠なポイントです。

お客様の強い潜在ニーズがありながら、競合先が提供できていないため、効果的に差別化できる価値です。競合分析やお客様理解を深めた上で、業界慣行や売り手都合の見直しによって見つけることができます。

例えば自動車販売店のケースでは、土日の販売会を減らして購入者向けイベントを開催したり、メーカー系列に依存しない独自の下取り買い取り制度を構築することで同ブランドの競合店と大きく差別化し、何倍もの成約に成功しています。

企業向けでも、社内のナレッジを活用して、お客様に喜ばれる洗練された研修サービスや定期メンテナンスメニューの提供など、他社と差別化できる様々なキラーポイントを作り出すことができます。

 

②細かなディテールまで配慮され、洗練されている

効率の追求だけでは、価値提供のディテールは個人まかせになりがちです。しかし個々のお客様にとっては些細なこと(ディテール)が大事で、ディテールを軽視していると自己都合や身勝手が表に出てしまい、キラーポイントで得た高い満足を台無しにする失態が起こってしまいます。

真実は細部に宿る」と言いますが、特に習慣化していることや常識内だと思い込んでいることにお客様からの信頼を損なうダメージポイントが隠れていることがよくあります。コミットメントに照らして、すべての行動を洗い直して価値のディテールを洗練させ、高いレベルで提供する<個人まかせにしないことが重要です。

上記の自動車販売店のケースでは「納車準備」でした。業界では納車時のガソリンは「3リットルしか入れない」というのが常識でしたが、常識を見直すことで「満タン納車」を実施し、非常に高い顧客満足の獲得に成功しています。

 

特定の専門市場や地域市場では参入企業が絞られるため、シェア順位が固定しがちです。3位以下の企業はコスト集中(フォロワー)や、市場を細分化した集中差別化(ニッチャー)が多くなりますが、規模の小さい企業がコスト集中をすると収益悪化は避けられませんし、ニッチャーになっても企業の成長は困難です。

3位以下の企業が収益性と成長性を保持できる最も有効な戦略の1つが、「お客様の心に響き高く満足される価値」を提供する戦略です。価値強化の取り組みは開発や業務のオペレーションを洗練化させ、さらなる成長の可能性を大きく広げます。

 

.「心に響く体験/価値」を提供し続けるために必要なこと

非常に繁盛していた飲食店が、何年かすると閉店していることがよくあります。ひらめきが奏功し、大きな成功に繋がってもこれを維持することは容易ではありません。10年もつ飲食店は数パーセントしかありません。成功を足枷とせず、さらなる成長に繋げるには、価値強化だけでなく企業の組織能力を高める取り組みが不可欠です。

 

陳腐化・マンネリ化を防止する仕組み

コミットメントを立て、お客様に高く満足いただくことが目標となると、お客様の満足を維持するための「努力を持続させる仕組み」が重要になります。同じことしか提供できないと、すぐに陳腐化・マンネリ化に陥ってしまいますので、お客様により満足いただける余地を常に探索して具体化できる組織能力を身につけねばなりません。

定期的な顧客満足アンケートや口コミチェックなどのウォッチと共に、顧客の声や行動を実際に見て観察しながら、理想とするコミットメントの実現に向けて工夫と努力を重ねることが必要です。

 

コミットメントにふさわしい組織文化

価値提供の主体者は社内スタッフです。彼らがコミットメント実現に努めるのが当然だと思わないと、お客様の心に響く価値は提供できません。そのためには個々のスタッフのナルシズムを克服し、チームワークを効果的に機能させる評価システムや顧客情報の共有、社員のモラルやモチベーションを高めるキャリアパス対策などが必要です。

優れた戦略を立てても、それを実現する組織力が伴わないと何も実現できません。ミンツバーグの「変革キューブ」マーケティングナレッジ「変革キューブ」参照)の通り、コミットメントの実現には組織文化(カルチャー)の変革が不可欠です。

 

粘りと柔軟性のある強いリーダーシップ

コミットメントによる価値強化は実現できれば非常に強力ですが、上記のように数々の困難を乗り越えることが必要です。困難を乗り越えるためにまず必要なものが「粘りと柔軟性のある強いリーダーシップ」です。コミットメントの実現に強い執着心を持ちながら、旺盛な好奇心柔軟な発想力をもって仕事を楽しめるリーダーシップです。

さらに競合を撃破して絶対に負けないという強い闘争心と、お客様に喜ばれることを願う純粋なサービス精神も必要です。

弊社は、上記のようなリーダーシップを望まれるリーダーをサポートさせていただくパートナーとして、様々なアドバイスとソリューションをご提供いたします。

 

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