営業をつまずかせる問題・要因を明らかにする
お客様に訪問・面談しても、商談が進展せずにムダな営業活動になってしまうことがよくあります。
・ルート営業では・・・「御用聞き」しかできず、情報も相談も引き出せない
・新規営業では・・・ 面談してもお客様に興味をもってもらえず、再訪問のアポがとれない
訪問することだけに追われ、何を伝えれば商談化できるかという営業ゴールも、そこに到達するための営業シナリオも提案準備もできていなければ、お客様からは、買ってほしいという営業都合しか見えず、お客様のメリットが感じられません。
営業活動検証ではこのような営業活動上の問題点と、問題解決を妨げる要因を明らかにします。
1.営業活動上の問題点
営業活動データを収集し、有効訪問件数を中心に下記の4点を分析します。
①有効訪問件数 ・・・お客様から情報や相談、引き合いのいずれかを獲得できた訪問件数
②開拓営業割合 ・・・特定の得意先に訪問が偏らず、余地のある開拓先に訪問できているか
③個別提案実施率・・・訪問先のお客様に役立つ情報や事例、提案を準備して訪問できているか
④継続訪問課題保有先数・・・お客様に困りごとの相談を受け、その解決のための情報提供や提案などで継続訪問できるテーマを獲得できているか
営業効率の低い営業は訪問しやすい得意先へのお届け訪問に偏りがちですが、訪問時の御用を待つだけでは有効訪問は増えません。有効訪問を増やして営業効率を高めるには、営業シナリオと提案をしっかり準備して、拡大余地のある開拓先への訪問を増やすこと、そして継続訪問できる課題を獲得することが重要です。
2.問題解決を妨げる要因
活動上の問題が明らかになっても、問題解決を妨げている要因がわからなくては効果的な対策をうつことはできません。営業にアンケートやヒアリング調査を行い、多くの営業がつまずき、問題解決を妨げている要因を探索します。
・訪問準備の時間が不足 ・・・報告書作りや会議で時間がとられ、訪問準備の時間が不足
・エリアが広く移動が多い ・・・営業エリアが広く、余地のある開拓先に十分訪問できない
・新製品の提案情報やツール不足 ・・・簡単なチラシしかなく、十分な説明ができない
・まとまった情報ツールが不足 ・・・カタログやホームページの情報が乏しく、顧客の反応や質問にすぐに対応できるまとまった情報ツールがない
あるケースでは、営業ツールの不足・不満が提案準備を妨げて有効訪問を低下(相談を引き出せない)させていましたが、問題と要因が明らかになったことで「営業ツールの改善」という対策を速やかに実施できました<ケーススタディ5>。
営業活動検証によって問題と要因が明らかになれば、ユーザーリサーチや競合分析をもとにシナリオやツールの改善などの対策を効果的に実施することができます。
<補足>「成功営業のノウハウ浸透が進まない」場合
成功営業のマネはできない。成功ノウハウを浸透させるには“加工”が必要
成功営業がいて、成功事例の発表会や共有を行っても、ノウハウの浸透・拡大が進まずに長期的な問題となっていることがよくあります。ノウハウの浸透がうまくいかない最大の要因は、成功営業のやり方をそのままマネさせようとするためです。
営業活動上の困難を自力で解決できる成功営業と、一般の営業との間には大きなギャップ<キャズム>があり、営業スキルや経験、能力の違いに配慮して、成功ノウハウが浸透しやすくなるように加工することが必要です。
実際のケースでは、成功営業にロングインタビューを行い、成功営業が考える営業ゴールとシナリオ、提案内容やお客様への配慮を聞き出してツール化することで、ノウハウの浸透と継続に成功し、業績を大きくアップすることができました<ケーススタディ2>。
成功営業へのノウハウ聞き出しは、社内だけで行うより、外部スタッフを使う方が見逃しも少なく、細かな情報まで聞き出すことができます。
社内だけでは、「常識」「言うまでもない」と省かれてしまうこと、過去の経緯や事情によって詳しく語られないことに重要なノウハウが含まれることがありますので、情報の聞き出しに馴れた社外スタッフの活用をおすすめします。